新型コロナウイルスと食料支援状況 5/1 新型コロナウイルス 2020年05月01日 前回(4/16)の報告から半月が過ぎました。前回から38件増えて、107件となっています。4月単月でみると83件が新型コロナウイルスの影響による食料支援の依頼でした。申請数が増えていないように見えるのですが、この間かなりの相談支援機関にあらかじめ食品をお渡しして、窓口で提供していただくようにお願いしてきた効果が出てきているのではないかと思います。2/26~5/1の107件の内訳を見てみます。●男女比は、男性4割・女性6割で推移しています。通常のフードバンク支援ではこの比率は男性の方がやや多くなっているので、コロナの問題は女性により影響を与えているようです。●年代別にみると、30代が最も多く、40代、50代の順になっており、20代も合わせ、働き盛りの年代への支援が中心です。●この間の支援申請で目立つのは、ひとり親世帯です。全体の1/4(27件/107件)がひとり親世帯、特に母子世帯への支援となっています。これまでパート就労と手当等で生活を支えてきたものが、休業等で収入が減少したり、子どもが家にいることで食費がかさんでいるものと思います。●その他、困窮している状況については、以下の通り(主なもの)。(20代)夫婦と子の3人世帯。ダブルワークで家計を支えていたが、新型コロナウイルスの関係で残業できず収入が減額。幼児をかかえ出費もかさむことから、食事に回すお金を工面するのが困難な状況。(50代)本人夫婦、子ども3人の5人世帯。本人のタクシー業収入、長男の会社員収入で世帯を支えていたが、コロナウイルスの影響で本人収入は1/5に。長男は失職してしまった。(20代)カメラマンの仕事で収入を得ていたが、コロナウイルスの影響でイベントが中止になり、受注していた仕事も無くなってしまい、収入が無い状態。(30代)本人と子2人、母の4人世帯。市内給食センターでパートで調理の仕事をしているが、3月の休校措置により給食センターも休業。返済の負担も大きい。(40代)夫婦と子の3人世帯。家族からのDVにより他市から転居。両親はともに精神疾患があり、夫の不定期就労の収入と障害年金でやりくりするも多重債務があり、月々の返済でお金が残らない。先月から新型コロナウイルスのの影響により収入が激減し、食べていくことが困難。(30代)本人と10代の子3人の4人世帯。本人の収入で生計を維持していたが、コロナの影響で子ども3人が休校となり、食費が増加、生活が苦しくなった。光熱費の支払いも滞り食料の購入も厳しい。(20代)留学生。新型コロナの影響で、8万円あったアルバイト収入が途絶えてしまった。母国もロックダウンしており、帰国もできない。手持ち金3000円。(40代)車上生活。派遣社員として働いていたが、コロナウイルスの影響で自宅待機となった。(10代)若年の夫婦と2歳と4か月の子の4人世帯。新型コロナの影響で、母の仕事(カラオケボックス等)が3月から休業状態になったことと、父が2月中旬に足を骨折し休職したことから収入が大幅に減った。貯蓄なく、所持金も赤ちゃん用品の購入で底をつく。家賃は2ヶ月滞納。 フードバンクちば 食品ロス 貧困問題 食料支援 生活困窮者支援[1回]PR
新型コロナウイルスのフードバンクちばへの支援依頼状況 4/16 新型コロナウイルス 2020年04月20日 前回の報告から6日経った、4/16時点での報告です。コロナ関連の申請件数は前回より18件増えました。男性への支援申請が5件、女性への支援申請が13件増え、女性の割合が増加しました(68%)。年齢別には、10代 3 4.3%20代 10 14.5%30代 15 21.7%40代 17 24.6%50代 14 20.3%60代 5 7.2%70代 5 7.2%となっており、10代、20代、30代の割合が増えています。また、特筆すべきはひとり親世帯への支援申請で、4/10以降に増加した18件のうち1/3の6件がひとり親(母子)世帯への支援申請となっています。これまで就労して何とか生活してきたひとり親(母子)世帯をコロナウイルスが直撃しているように思います。フードバンクちば 菊地 フードバンクちば 食品ロス 貧困問題 食料支援 生活困窮者支援[2回]
フードバンクちば 新型コロナウイルスによる利用の増加についてのレポート 4/10 新型コロナウイルス 2020年04月10日 フードバンクちば 新型コロナウイルスによる利用の増加についてのレポートフードバンクちば 菊地 謙2020/4/10 フードバンクちばでは、2012年より困窮する個人・世帯の支援を中心にフードバンク活動を行っています。 フードバンクちばの食料支援を利用する場合、行政や民間の相談支援機関等を通じて、「食品配送申請書」をフードバンクちばに送ってもらいます。申請書には利用する人・世帯の属性や使用可能な炊事用具、希望する食品などを記入してもらいますが、支援機関には「利用者の現況」(申請に至った事情や現況)を書いていただいています。 今回、新型コロナウイルス感染症が拡大し、千葉県にも緊急事態宣言が出される中で、この間のフードバンクちばへの食料の支援申請の「利用者の現況」に見る新型コロナウイルス影響を書いてみます。1. 申請件数 フードバンクちばへの申請で「コロナ」の名称が最初に出たのは2/26でした。以後、利用者の現況欄に「コロナ」という言葉が出たケースと、派遣等で明らかに仕事が減って入れなくなったケースを「コロナ関連ケース」としました。 その結果、2020年2月26日~4月10日に51件(世帯)のコロナ関連ケースの申請がありました。内訳は2月2件、3月16件、4月33件です。各月の申請件数との比でいうと、2月1.6%(2/119件)、3月7.3%(16/219件)、4月43.4%(33/76件)となっており、やはり3月末から4月にかけて、増加しています。このままでいくと、4月は100件近いコロナ関連ケースの申請があるでしょう。2. 利用者の状況 次に利用者の状況です。利用者とは、世帯の中で相談支援機関につながった人です。仮に70代の母と40代の本人、10代の子、という世帯でも相談支援機関とつながった人が、本人なら40代、母なら70代とカウントしています。性別も同様です。 性別では、男性が17(33.3%)、女性が34(66.6%)と女性が2/3を占めます。これは、相談に行くのが女性が多いこともあるかも知れませんが、単身女性や母子世帯の割合も多いようにと思われ、やはり影響は女性に多く出ているようです。 また、年代では、10代1(2%)、20代7(13.7%)、30代10(19.6%)、40代11(21.6%)、50代13(25.5%)、60代4(7.8%)、70代5(9.8%)となっており、やはり30代から50代の働き盛りの世帯をコロナが直撃していることが分かります。 申請理由を細かく分析できてはいませんが、(コロナで)仕事が減り収入が減った、休職になった、解雇された、というものがほとんどです。次に多いのが、学校が休校となり、子どもが家にいるために食費が増加して家計が厳しくなったというものです。このような状況は業種を問わずあるように思いますが、やはりホテルや観光業、カラオケや飲食などの業種、タクシーや警備など景気の波を直接受ける業種が多いように思います。また、よく言われるように、もともと不安定就労ながら、何とか踏ん張っていた人たちが一気に困窮化しているようにも思います。今後、生活保護申請も増加するものと思います。3. 申請地域 この期間の食品支援申請は県内22市町からありました。フードバンクの利用は、もともと多い地域とそうでない地域の差があります(その地域の支援体制や資源の違いもあるでしょう)。今回申請のあった22市町のうち、複数回の申請があったのは、多い順に千葉市(9件)、鴨川市(6件)、野田市(4件)、富里市(4件)、市川市(3件)、浦安市(3件)、船橋市(3件)、木更津市(2件)、君津市(2件)、白井市(2件)となっています。千葉市は人口比で言っても多いのはわかりますが、次が鴨川市というのが特徴的です。たまたま鴨川市役所の方がフードバンクまで食品を取りに来てくださったので、お話を聞いたら、「観光の街だから」とのことでした。富里市が多いのも、空港との関係があるのかも知れません。 もちろん、各自治体の相談窓口には、コロナ関連での相談が押し寄せていると聞きますので、フードバンクへの影響は、そのほんの一部だと思います。ただ、今後、千葉県内でコロナによる外出制限や営業制限が続くと、収入を失い生活が困窮する人が増加することは確実でしょう。 個人的には、フードバンクでつなぐのではなく、一刻も早い所得補償(給付)をするべきと思いますが、何とかこの危機を乗り切るのにフードバンクも微力ながら貢献したいと思っています。 すでに、支援機関の皆さんにはお伝えしていますが、4/7以降、フードバンクちばはボランティアの方を自宅待機としていただいたこともあり、体制が非常に脆弱になっています。県内の困窮する方の支援に役立ちたいと思っていますが、十分に果たせない可能性があることをお許しください。 フードバンクちば 食品ロス 貧困問題 食料支援 生活困窮者支援[9回]