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毎日新聞 2015年06月23日 地方版
賞味期限が近づいたり、包装に印字ミスがあったりして廃棄される食品を無料で引き取り、生活困窮者や福祉施設へ提供する「フードバンクちば」(千 葉市稲毛区緑町1)が設立から3年を迎えた。今年は生活困窮者自立支援法が施行されたのを受けて、支援依頼が急増している。今月末まで10回目の食品引き 取りをしており、缶詰や乾物、レトルト食品などの提供を呼びかけている。【松谷譲二】
フードバンクちばは、代表の菊地謙さん(47)が東京で行われている活動を知ったのをきっかけに2012年5月、労働者らが出資するワーカーズ コープちば(企業組合労協船橋事業団)を母体に設立された。生活困窮者の就労支援などに携わる人たちがボランティアとして無償で活動している。
食品引き取りは年3回で、賞味期限まで1カ月以上あり、常温で保存できるインスタント食品や飲料、米などが対象。食品会社などから直接回収するほ か、社会福祉協議会(社協)や生活支援センターなど県内約70カ所に設置した回収箱に入れてもらい、ボランティアが車で回収する。集まった食品は事務所で 仕分けて段ボール箱に詰め、主に社協を通じて申請された個人宅に宅配便で送る。昨年までに寄せられた食品は約50トンに上った。
生活困窮者自立支援法は各市町村に相談窓口を設けるよう定めており、4月の施行後、生活相談の件数は増えているという。実際の相談は自治体から委 託された社協が担っていることが多いため、社協がフードバンクに橋渡しするケースも増えており、法施行からの2カ月間の利用は約330世帯と、昨年同時期 に比べ倍増した。
利用者のうち半数は30〜50代が占め、60代以上は2割という。菊地さんは「働き盛りの世代の利用が多い。急な失業や事故、病気などに見舞われた場合の働く世代に対する困窮支援策が、高齢者より遅れているのではないか」と話す。
運営費はすべて寄付やカンパ、募金などで賄われている。活動の認知度は年々上がっており寄付も増えているが、昨年度は寄せられた約300万円のう ち配送費が約100万円かかり、事務所や倉庫の家賃、車のガソリン代なども含めると約100万円の赤字となった。今年はさらなる利用者増が見込まれ、配送 費が一層かさむ恐れもある。菊地さんは費用の一部を社協などに負担してもらうことも検討している。
農水省の推計によると、国内で廃棄される食品は年間約1700万トンで、このうち500万〜800万トンはまだ食べられるのに捨てられている。菊地さんは「余った食べ物を困っている人たちに有効に使い、息長く活動を続けたい」と話している。問い合わせは、フードバンクちば(043・375・6804)。