フードバンクちば6周年イベントを開催しました 活動報告 2018年06月22日 2017年6月16日(土)、千葉大学西千葉キャンパス内人文社会科学系総合研究棟にて、フードバンクちば6周年イベントを開催しました。今年度は約40名の方にご参加いただきました。 第1部では、2017年度の活動報告を行いました。フードバンクちばの食品取扱量は年々拡大しており、2017年度は企業からの食品寄贈は、27.6トン。永谷園ホールディンクスやコカ・コーラボトラーズジャパンからの定例の余剰食品寄贈のほか、NTT東日本千葉事業部など、災害備蓄食品の寄贈も増えています。 また、地域やご家庭で余っている食品(常温保存可能で賞味期限が2か月以上残っているもの)をご提供いただく取組み「フードドライブ」を年3回開催し、年間の寄贈量は29.9トン。フードドライブの受付箇所は95か所を超え、社会福祉協議会を中心に県内ほぼ全域での受け取りができるようになっています。 昨年度の取り組みとして、県内の4生協(生活クラブ、パルシステム、コープみらい、なのはな生協)と県生協連が連携して「いのちをつなごう~フードバンクちば×県内生協連携キャンペーン」を9月から⑪月に開催しました。9月7日のキックオフイベントで映画上映を行ったほか、各生協がフードドライブを行い、計2.3トンの食品を集めていただきました。2018年度も継続する予定です。 食品の提供先としては、児童養護施設や母子生活支援施設等に加え昨年度も約30の子ども食堂運営団体への提供を行っています。一方、個人で困窮する方への支援は、各市の市役所や社協、生活困窮者支援窓口などを通じて、毎日約10~20件の支援をしており、年間で2,307件の支援を行いました。また、2016年度から山崎製パン千葉工場よりパンの寄贈を受け、千葉市稲毛区での学習支援事業で中学生に毎週1回菓子パンの提供を行っていますが、2018年度からは若葉区の学習支援でも開始しました。 これらフードバンクちばの仕事の多くは、約20名の地域のボランティアの方ご協力で成り立っています。また、財政についても市民の方々からの寄付金が約170万円、サポート会員からの会費が108万円と増えてきていますが、フードバンクを継続するためにはより一層の寄付や会費が必要です。 第2部では、「子どもの貧困と食」をテーマに新潟県立大学の村山伸子教授に記念講演をいただきました。 講演では、はじめに子どもの貧困とその背景として、先進国の中でも日本の子ども貧困率と特に母子世帯での貧困の問題について話されました。次に、子どもの貧困と食生活の実態についての調査研究をもとに「世帯収入が少ない世帯の児童は、朝食を毎日食べない子が多い」ことや「食卓に野菜が少なく、魚や肉の加工品、インスタント食品が多い」傾向があることなどを報告されました。また、フードバンク山梨との共同研究を通じて、子どもの貧困の連鎖を断ち切るには、「健やかな成長に必要な栄養の確保」と、「自立に必要な食生活の基本スキルの習得」が必要との見解を示されました。最後に、フードバンク山梨の「夏休みこどもプロジェクト」の経験から、給食が無くなる夏休みに貧困世帯に食糧支援をすることで、食べる頻度が増加するほか、普段食べられないような食品を買ったり、食費以外の予算を増やすことができるようになったりしたとの報告がありました。子ども食堂についても、食の確保と共に楽しく食事をするなど、生活上の体験の機会を増やす場にもなるとの指摘がありました。 第3部では、カレントオブエヌの西垣さんやワーカーズコープの皆さんのご協力で、恒例のフードバンクに寄贈された食品を使った料理の試食&交流会を行いました。地元でレストランを経営されている方、野菜の直売所を運営する法人の方、こども食堂やフードバンクを運営する方、行政職員、支援団体、社会福祉協議会、民生児童委員、千葉大学の職員、生活協同組合の方々など、多くの方からお話をいただきました。 6年を経て、千葉県内になくてはならない存在として、フードバンクは大きく発展してきています。今後ともみなさまのご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。 フードバンクちば 食品ロス 貧困問題 食料支援 生活困窮者支援[1回]PR