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フードバンクちば 新型コロナウイルスによる利用の増加についてのレポート 4/10

フードバンクちば 新型コロナウイルスによる利用の増加についてのレポート

フードバンクちば 菊地 謙
2020/4/10

 フードバンクちばでは、2012年より困窮する個人・世帯の支援を中心にフードバンク活動を行っています。
 フードバンクちばの食料支援を利用する場合、行政や民間の相談支援機関等を通じて、「食品配送申請書」をフードバンクちばに送ってもらいます。申請書には利用する人・世帯の属性や使用可能な炊事用具、希望する食品などを記入してもらいますが、支援機関には「利用者の現況」(申請に至った事情や現況)を書いていただいています。

 今回、新型コロナウイルス感染症が拡大し、千葉県にも緊急事態宣言が出される中で、この間のフードバンクちばへの食料の支援申請の「利用者の現況」に見る新型コロナウイルス影響を書いてみます。

1.    申請件数
 フードバンクちばへの申請で「コロナ」の名称が最初に出たのは2/26でした。以後、利用者の現況欄に「コロナ」という言葉が出たケースと、派遣等で明らかに仕事が減って入れなくなったケースを「コロナ関連ケース」としました。
 その結果、2020年2月26日~4月10日に51件(世帯)のコロナ関連ケースの申請がありました。内訳は2月2件、3月16件、4月33件です。各月の申請件数との比でいうと、2月1.6%(2/119件)、3月7.3%(16/219件)、4月43.4%(33/76件)となっており、やはり3月末から4月にかけて、増加しています。このままでいくと、4月は100件近いコロナ関連ケースの申請があるでしょう。

2.    利用者の状況
 次に利用者の状況です。利用者とは、世帯の中で相談支援機関につながった人です。仮に70代の母と40代の本人、10代の子、という世帯でも相談支援機関とつながった人が、本人なら40代、母なら70代とカウントしています。性別も同様です。
 性別では、男性が17(33.3%)、女性が34(66.6%)と女性が2/3を占めます。これは、相談に行くのが女性が多いこともあるかも知れませんが、単身女性や母子世帯の割合も多いようにと思われ、やはり影響は女性に多く出ているようです。
 また、年代では、10代1(2%)、20代7(13.7%)、30代10(19.6%)、40代11(21.6%)、50代13(25.5%)、60代4(7.8%)、70代5(9.8%)となっており、やはり30代から50代の働き盛りの世帯をコロナが直撃していることが分かります。
 申請理由を細かく分析できてはいませんが、(コロナで)仕事が減り収入が減った、休職になった、解雇された、というものがほとんどです。次に多いのが、学校が休校となり、子どもが家にいるために食費が増加して家計が厳しくなったというものです。このような状況は業種を問わずあるように思いますが、やはりホテルや観光業、カラオケや飲食などの業種、タクシーや警備など景気の波を直接受ける業種が多いように思います。また、よく言われるように、もともと不安定就労ながら、何とか踏ん張っていた人たちが一気に困窮化しているようにも思います。今後、生活保護申請も増加するものと思います。

3.    申請地域
 この期間の食品支援申請は県内22市町からありました。フードバンクの利用は、もともと多い地域とそうでない地域の差があります(その地域の支援体制や資源の違いもあるでしょう)。今回申請のあった22市町のうち、複数回の申請があったのは、多い順に千葉市(9件)、鴨川市(6件)、野田市(4件)、富里市(4件)、市川市(3件)、浦安市(3件)、船橋市(3件)、木更津市(2件)、君津市(2件)、白井市(2件)となっています。千葉市は人口比で言っても多いのはわかりますが、次が鴨川市というのが特徴的です。たまたま鴨川市役所の方がフードバンクまで食品を取りに来てくださったので、お話を聞いたら、「観光の街だから」とのことでした。富里市が多いのも、空港との関係があるのかも知れません。

 もちろん、各自治体の相談窓口には、コロナ関連での相談が押し寄せていると聞きますので、フードバンクへの影響は、そのほんの一部だと思います。ただ、今後、千葉県内でコロナによる外出制限や営業制限が続くと、収入を失い生活が困窮する人が増加することは確実でしょう。

 個人的には、フードバンクでつなぐのではなく、一刻も早い所得補償(給付)をするべきと思いますが、何とかこの危機を乗り切るのにフードバンクも微力ながら貢献したいと思っています。

 すでに、支援機関の皆さんにはお伝えしていますが、4/7以降、フードバンクちばはボランティアの方を自宅待機としていただいたこともあり、体制が非常に脆弱になっています。県内の困窮する方の支援に役立ちたいと思っていますが、十分に果たせない可能性があることをお許しください。
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