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アメリカのフードスタンプ

アメリカ合衆国では、低所得者層向けの公的扶助として「フードスタンプ」という政策があります。正式名称は「補助的栄養支援プログラム」(SNAP、Supplemental Nutrition Assistance Program)というもので、おおむね4人家族で月2,500ドル以下の収入の人に、EBT(Electronic Benefit Transfer)という食料品のみ購入可能なデビットカードのようなものを配り、1人当たり月100ドル相当の商品がスーパーなどで購入できるようにしています。

  アメリカ農務省のフードスタンプのパンフレット(日本語版)

 いまや、アメリカ国民の15%、4667万人(2012年8月)がこの制度を利用しており、低所得者の生活を下支えしています。アメリカ経済は回復していると言われていますが、一方でフードスタンプ利用者は増え続け、国民の7人に1人がこの制度を利用しているといいます。

 フードスタンプの制度は州ごとに違いますが、国民の生活を保障する公的扶助制度(所轄官庁は農務省ですが)ですから、15%というのは本当に大変な数字です。給付水準がまったく違うとはいえ、日本の生活保護受給者の受給率と比べても10倍近い開きがあります。

 そんなわけで、政府がフードスタンプへの支出の削減を行うと、たちまちウォールマートなど小売り大手の業績が悪化してしまうわけです。

米小売大手が売上高予想を相次ぎ下方修正、年末商戦は正念場(2014/10/16:ロイター)
「(前略)米小売最大手のウォルマートは15日、今年度(―2015年1月)売上高の伸び率予想を2─3%とし、当初の「3─5%の下限」から引き下げた。ドル高に加え、フードスタンプ(食料配給券)制度の支給額削減による影響が予想より大きかったとしている。」

 米農務省経済研究局は、フードスタンプによる給付金1ドルにつき、国内総生産(GDP)が1.79ドル押し上げられる、と述べています。つまり、アメリカは社会福祉予算と国内経済が連動する状況になっています。

 大儲けする企業家が生まれる一方で、膨大な
貧困層が1食当たり1.25ドルのフードスタンプで生きながらえているという分裂した社会です。

 日本のフードバンク活動を考えるとき、非常に参考すべき内容だと思います。
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