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2019年9月16日(月)千葉日報「ちばオピニオン・私論直言」に記事を掲載していただきました。

 
 みなさんは「フードバンク」をご存じだろうか?フードバンクとは、賞味期限が近づいたり外装が汚れたりして販売できなくなった食品や家庭で余っている食品(食品ロス)を寄付していただき、福祉施設や生活困窮世帯に無償で提供する活動をいう。千葉県では、20125月に私たちワーカーズコープちば(就労創出や地域づくりを目的とした協同組合)が千葉市で「フードバンクちば」を設立し、7年間活動を行ってきた。

フードバンク活動の背景として、一つには「食品ロス」の問題がある。農林水産省の推計では、日本では年間643万トンのまだ食べられる食品が廃棄されている(2016年度)。食品の製造から流通・販売のさまざまな過程においてロスは発生する。その代表的なものが賞味期限の問題だ。賞味期限は「おいしく食べられる期限」であり、期限を過ぎても食べられないわけではないが、残りの期限が短くなったら販売しないという商品管理の仕組みもあり、製造されても消費者の手に届かずに廃棄されてしまう食品は数多い。


一方、豊かに見える日本でも、日々の食事に事欠く人が増えている。少子高齢化とそれに伴う家族の機能の縮小、非正規労働の拡大など雇用環境の不安定化とワーキングプア層の拡大など社会状況の変化の中で、既存の社会保障などからこぼれ落ちる人が増えてきた。フードバンクちばがある千葉市でも、リーマンショック後の10年で生活保護受給世帯が約2倍、受給者数は2万人を超えている。


このような状況の中、フードバンクちばでは余っている食品と困っている人を結び付ける活動を行っている。年間60トン以上の食品を寄贈していただいているが、家庭で余っている食品を寄贈していただく「フードドライブ」は県内約100か所の拠点で年3回の回収を行い、約35トンと全体の半数以上を集めている。私たちが最も力を入れているのが、個人で困窮する方への支援だ。行政の福祉窓口、社会福祉協議会、民間の支援機関、弁護士などを通じて、毎日1520件、年間2,500件以上の支援依頼がフードバンクちばに届く。利用者は30代から50代の働き盛りの世代が過半数を占める。若い人であっても失業や疾病などにより収入を失うと途端に困窮してしまう状況が見えてくる。「手持ち金がほとんどない」「3日間ほとんど食べていない」など緊急性を要することも多く、宅配便(料金はフードバンクで負担)で翌日には届くようボランティアの皆さんが箱詰めし、ご自宅にお送りしている。利用者からは「フードバンクの活動は知っていましたが、まさか自分がお世話になるとは思っていませんでした。本当に助かりました。(40代、単身)」といった声が日々届いている。


このようにフードバンクは社会的に有益な活動であるが、最大の課題は財政問題だ。食品を無償で引き取り無償で提供するため収益は生まれない。現状で公的な支援は無く、寄付金やサポート会費、民間の助成金などが主な収入だが、利用は拡大しており運営は非常に厳しい状況だ。今後は福祉団体や生活協同組合等との連携だけでなく、企業のCSR部門との連携も広げていく予定だ。


「もったいない」を「ありがとう」に変える千葉の食のセーフティネットづくりの活動にぜひみなさんのお力をお借りしたい。


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